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ダイガク享受のつぶやき

現役大学教員が書く、大学を目指す人に役立つブログ。

【JREC-IN】教員採用人事の最前線から3【公募】

大学公募

大学公募について、これで3本目の記事である。

そのあいだに、すでに今年の担当人事も佳境を迎えつつある。

面接は、応募者と顔を合わせる初めての機会だ。

その中の一人は、同僚として一緒に働くことになる人である。

人事担当として、面接はもっとも楽しい時間だ。

 

すでに第2回の記事で書いたとおり、

書類審査の段階ですでに優劣がついてる。

これの詳細については、以下を読んでほしい。

大学教員の採用人事を知る2―書類審査編|ダイガク享受|note

ところが、このときの優劣が一瞬で覆ってしまうのが面接や模擬授業なのだ

正直なところ、どんな公募であっても、

ものすごい経歴であるとか、ものすごい業績であるとか、ものすごい資格であるとか、

とにかく一般的に「雲の上の人」とも言うべき人物が必ずひとりはいるものである。

そしてもちろん、そういう人は面接に呼ばれることが多いのである。

しかし、採用されるのは、

経歴的にも業績的にもやや見劣りする人物である場合もすくなくない。

これが面接のおもしろさなのだ。

 

今回のテーマは【面接・模擬授業】についてである。

note.mu

この記事を書くにあたって、いろいろ調べてみたのだが、

大学教員公募の面接に特化した情報というのが、ほとんど見当たらない。

マニュアルという意味では、むしろこの記事がはじめてではないだろうか?

とにかく、面接に挑む人は本当に手探りで行っているんだな、という印象だった。

 

自分は、民間企業の就活を経験していないが、しかしある程度想像できる。

なぜなら、その類の情報が巷にあふれかえっているからだ。

だから「どんなものか全く想像できない」ということはない。

一方で、大学教員公募の面接を、少しでも想像できる人はどれくらいいるだろうか?

一般人は言うに及ばず、実は大学関係者でも、その実態を知らない人は多いのである。

まず、大学教員のなかでも、面接を受けたことがある人にしかわからない。

非常勤講師とか、大学職員とかは、面接を知らないのだ。

1回の公募で面接に進める人数は決まっているので、それを考えると、

面接について情報を提供できる人は、本当にいないのだと言えるかもしれない。

少なくとも、ニーズが限られているのは間違いない。

面接に関する情報がないのは、当たり前のことだ。

 

しかし、面接に挑む人にとっては、人生をかけた戦いである。

絶対にこのチャンスを逃したくない、と思っていることだろう。

だからこそ、この記事を読んで、対策を立ててほしいと願っている。

 

今回の記事は、面接と模擬授業について書いている。

いずれも、「採用側の視点」から、注意すべきポイントを詳細に書いた。

面接と模擬授業は、やることが基本的に一緒なので、

あらゆる分野の応募者に役立つ情報になっている。

特に模擬授業について、そのテクニックを紹介している。

教授法を習ってない応募者にとっては、非常に参考になるはずだ。

 

面接は最後の関門である。これに通れば、春からは「こちら側」の人間だ。

ぜひこの記事を読んで、万全の態勢で面接に臨んでほしい。

note.mu

 

【JREC-IN】教員採用人事の最前線から2【公募】

大学公募

今日は前回記事の第二弾である。

前回の記事では、大学教員になるためには「運」がほしいこと、

しかし「近道」が存在すること、などを書いた。

その近道について、「足きり」を中心に詳しく論じた以下の記事を紹介した。

 

大学教員の採用人事を知る1―応募書類編|ダイガク享受|note

 

自分はいま、大学教員の採用人事を担当している。

今年も公募の時期に差し掛かり、応募書類を読む毎日である。

応募書類は「足きり」フィルターでふるいにかけられるのだが、

その基準を知らない応募者があまりにも多いことを憂いて、

前回の記事を書いた。

反響は大きく、すでに多くの読者から支持をいただいている。

公募の時期でもあるためか、こちらの想像を上回るもので、

それならば!と、急いで第二弾を書いたところである。

 

今回のテーマは【書類審査】についてである。

この書類審査は、人事プロセスのなかで最も外部から見えにくいところだ。

そのブラックボックスを明らかにすることで、採用人事の核心に迫った。

note.mu

 

文字数12,000字を超える大作である。原稿用紙30枚以上と聞けば、その情報量の多さを理解できるだろう。【書類審査】は人事のメインでもあるので、あらゆる項目を様々な視点から解説するよう工夫した。

 

この記事の内容との関連で、「業績」について簡単に述べたい。

業績は実に様々な評価が可能で、一概に「これが大事」とは言えない側面もある。

よく耳にするところでは、業績は数が最も大事であるとか、

いや掲載された雑誌の「質」が重視されるとか、

それこそ都市伝説のようにいろいろ語られている。

ところが、その都市伝説はほとんどが根拠を欠いている。

なぜ数が大事なのか、なぜ質が大事なのか、理解していない場合がほとんどである。

 

業績の数が重視されると思っている人は、

たとえば業績が50ある応募者と、20しかない応募者では、

50のほうが評価が高いと信じるに違いない。

業績の質が重要であると思っている人は、

たとえば国際誌に3本載っている人と、国内誌に5本載っている人では、

前者のほうが評価が高いと信じるに違いない。

 

これは明らかに誤解である。

たしかに、50のほうが30よりも「見栄え」がいい。

そして国内誌よりも国際誌のほうが「見栄え」がいい。

しかし、そのままでは「見栄えがいい」以上の評価は得られないのだ。

それらが本当に価値のある業績かどうかは、実は別の視点で決まるのである。

その視点を知らずに、数や質だけで決まると思っている若手は多い。

しかし、そのまま突き進んでしまうと結果的に後れをとることになるだろう。

数のみを追求したり、質のみを追求したりすることは、

それはそれで確かに「あり」な価値観だが、

それ「だけ」では、大学教員の採用人事の現場では通用しない価値観である。

 

もうひとつ、この記事との関連で、「教育」について触れよう。

大学は、高等教育機関である。

学生を教え育てることもまた、大学に課された社会的使命である。

ところで、大学教員と小中高の教員との最も大きな違いとして、

大学教員には「教員免許」も「教職課程」もないことがあげられる。

したがって、この社会的使命に対して、

公に認められた水準の教育技能を有する教員は、ほぼ皆無といってもいいだろう。

そのような制度がないので、当たり前といえば当たり前である。

 

外国では、有名なところではドイツにそのような制度がある。

「教授資格論文」というもので、教授の称号を得るためには、

分厚い論文の提出と厳しい審査に合格しなければならないのである。

したがって、ドイツの教授の質は、制度的に保証されていると言える。

(教授資格論文には、研究水準が高いことを証明するのはもちろんのこと、

自分の専門分野を学生に教えることができる程度に深く理解し、

柔軟な発想でかみ砕いて解説できるかを示す役割がある。

研究と教育は表裏一体であることを、教授資格論文という形で表している。)

 

日本にはそのようなシステムがないので、

大学教員は基本的に「自分で」教育スキルを確立していくことになる。

このとき、授業のモデルが「自分が学部時代に受けた授業」以外にない場合が多い。

つまり、自分が学部生のときに受けた、場合によっては20年も前の授業を、

今でも再生産している教員がたくさんいるのである。

 

20年も前の授業と言うと、「そんな昔のものを!」と笑い飛ばされるかもしれない。

しかし考えてみてほしい。18歳の学生は、20年後は38歳の若手研究者である。

38歳といえば、

大学教員の採用人事を知る1―応募書類編|ダイガク享受|note

で説明した通り、若手中の若手である。

大学において、20年以上前の教育スタイルは年代に関係なく、

ほぼすべての教員が行っている。

 

ところが、現代は大学や教育を取り巻く環境がおおきく変わっている時代である。

時代遅れの教育は、社会の厳しい目にさらされ、なくなりつつある。

上述した過去の授業モデルからの脱却を図り、

よい授業を模索する大学教員が増えつつある。

そんな中で、自分の信念にのみしがみつき、自分が信じる教育しかしない人は、

採用される見込みが少ないのは自ずと明らかであろう。

 

今回の記事では、この「業績」と「教育」について、

それぞれ「研究業績書」および「教育の抱負」で詳しく解説した。

「教育」については、次回の模擬授業にも関連してくるが、

何よりも書類審査で通らなかったら意味がないので、あえて2回目の目玉とした。

 

繰り返しになるが、書類審査は人事の中で最も大切である。

なぜなら、書類審査の次は面接だからだ。

面接に呼ばれた人は、採用される可能性は皆一様に等しいと考えてよいだろう。

つまり、面接に呼ばれた人は誰にでもチャンスがあるのだ。

それゆえ、書類審査をクリアして面接にコマを進めることが最も大事なのである。

この記事は、その書類審査のすべてを書いたものである。

特に「人事担当者は何をどのように評価するか」について詳しく論じた。

いつまでの書類審査に通らず悩んでいる人は、ぜひ読んでほしい。

note.mu

 

 

 

 

【JREC-IN】教員採用人事の最前線から1【公募】

大学公募

今日は、大学の専任教員の採用について書こうと思う。

 

基本的に大学教員になれるかなれないかは「運」だと思う。

まず、ふつうの会社と違って、求人募集があまりない。

大学は、抱えていてもいい専任教員の数が決まっているのである。

だから、ある大学から求人が出るとすると、

  1. 定年退職などで空きが出た場合
  2. 他の大学に移動する人が出た場合
  3. 新しく学部学科などを立ち上げて新規に教員を必要とする場合

の3パターンにほぼ限定される。

つまり、基本的に何もなければ教員が新規に募集されることはない。

だから大学教員を目指す人は、どこかのポストが空くのを待たなければならない。

空くか空かないかは、運しだいなのだ。

 

運よく空いても、すぐに教員なれるわけではない。

それどころか求人が出ても、書類を送ることすらできないかもしれない。

なぜなら、求人内容と自分が研究している分野がマッチしないといけないからだ。

例えば、あなたは哲学のなかの「現象学」を専門にしていたとしよう。

そのなかでも、特にフッサールについて深く研究しているとする。

そこへ、哲学教員の求人(公募という)が出た。

残念ながら、あなたは今回は見送ることになるだろう。

なぜなら、公募内容は「フランス現代哲学」を専門とする人が対象だからだ。

フッサールはドイツ哲学なので、書類を送るだけ無駄だろう。

このように、公募内容と自分の専門の一致が前提なのだ。

これも運しだいなのがわかるだろう。

 

これはまだ序の口で、大学教員の公募に出すだけでも実に様々なハードルがある。

このハードルを乗り越えて書類を送り、審査に通った人が面接に進める。

この面接には、ふつう「模擬授業」がセットとなっている。

色々な形があるが、いずれにしても面接者は、その場で「授業」をやらされるのだ。

その面接+模擬授業に挑み、見事勝ち残ったものが、

晴れて大学教員になれる仕組みなのだ。

つまり、自分の授業スタイルが評価されないとアウトなのだ。

これは面接官の好みに左右されるところが大きい。(もちろんそれだけではないが)

だから、これも運なのだ。

 

このように、大学の教員を目指すことは「運」との戦いでもある。

優秀だからなれるのではなく、強運の持ち主がなれる世界だともいえる。

本当に過酷で厳しいいばらの道を歩まなければならないのだ。

 

しかし、近道は確かに存在する。

コネや裏口という姑息なものではなく、公募戦線で勝ち残る技術があるのだ。

私は、いまの大学に就職するまでに、100校近くの公募に落ち続けてきた。

最初の50校くらいまでは、自分の何がダメなのかわかっていなかった。

次第にいろいろわかるようになり、

最終的には日本でもまあまあ「良い」大学に就職できた。

 

そして今は、採用人事を担当している。

たくさんの応募書類に目を通し、たくさんの候補者と面接するなかで、

「ここをこうしてくれたら!」「書類はよかったのに!」

という経験をたくさんしてきた。

 

そんな自分の経験をもとに、採用されるための近道をまとめたのが次の記事だ。

note.mu

今回は【応募書類】に特化して書いている。

しかし「書類の書き方」ではなく、

その前段階で注意しなければならないことを細かく書いた。

そもそも通る人と通らない人の間には、最初からものすごい開きがある。

この「開き」が何なのかを知らずに公募に参戦することは、

ある山を登るのに、地図を持っている人といない人くらいの差がある。

山に登るために、地図は一番大事な装備品の一つだ。

それ無しで地図を持ってる人と同じように登れるはずがない。

 

具体的には「足きり」について詳しく書いた。

自分もかつてかなり気にしていたし、今も後輩から質問されることに、

「教歴の有無はどの程度大事か?」

というものがある。

最近は大学でも「きちんと授業できる教員」が求められていて、

応募段階で教育経験がどの程度あるかをチェックすることがある。

記事の内容を少しだけ書くと、教歴の有無は必ず見られていると思ってよい。

教歴の有無が問題にならないことは、まずない。

しかし、こう書くと「自分は教歴5年あるから他の人より有利だ」と思う人がいる。

これは誤りである。採用する側にとって、教歴の年数よりも重要なポイントがある。

ここを見抜けない応募者が多く、残念ながら撃沈している人が後を絶たない。

記事では、こうした情報を論じている。

 

大学専任教員を目指している人には、必読だ。

この記事は全3回を予定していて、これを読めば公募のポイントがすべてわかる。

ぜひ目を通してほしい。

大学教員の採用人事を知る1―応募書類編|ダイガク享受|note

 

 

このブログについて

このブログは、大学を目指す「すべての人」のためのブログです。

具体的には、次のような人を想定しています。

 

  • 受験生:入試の舞台裏をおみせします
  • 学校の先生:受験指導に有用な情報をお届けします
  • 大学院生・若手研究者:大学専任教員を目指す人に近道を教えます

 

ブログ管理者の「ダイガク享受」は、現役の大学教員です。

某中堅私立大学の専任教員として、自分の経験をもとに情報を発信していきます。

匿名じゃないと書けないギリギリの情報のみを厳選してお伝えするつもりです。

 

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なぜこのブログを立ち上げたかというと、

入試の採点をしているときや、

教員採用人事をしているときに、

すごく「惜しい」人を本当にたくさん見てきたからです。

入試では「このことを知っていたら10点は上がったのに…」とか、

人事では「ここに注目してくれたらよかったのに…」とか、

そういう惜しい人がものすごく多いからです。

 

そういう人は全員、残念ながら合格/採用に届きませんでした。

みんな一生懸命なのがわかるからこそ、すごく残念な気持ちになります。

だから、色々な意味で大学を目指すすべての人に、

そのポイントを伝えたいと思っています。

 

***

 

このブログは、そんな情報をまとめる場所にしたいと思っています。

そして、もっとも重要な情報で、「ここの読者にだけ教えたい!」というものは、

"note"というところから発信していきます。


 よろしくお願いします。